オニじゃないよ おにぎりだよ

節分。


京都の鴨川にかかる三条大橋の袂には、

今も鬼が棲んでいるのです。


その鬼。

自分がまかれるであろう豆を自分で売っているのですよ。

ほれこのとおり。



なんとも豪気な話じゃありませんか。

彼とは美味しいお酒が呑めそうです。


今日のおすすめ鬼。

いや、おすすめ本。

2014年2月3日はこちらです。


『憎鬼』

ディヴィッド・ムーディ著 風間堅二訳 RHブックスプラス刊


「やめろよ、なあ・・・・・・」テーブルの上に仰向けに倒れている刺青男が

不安そうな泣き声をあげる。「お長いだから、よしてくれ・・・・・・」

 やせた男があたりを見まわす。片手で相手を押さえつけたまま、

テーブルの上の残骸をあさり、なにかをとりあげる。それを頭上に

振りあげたときになって初めて、おれはやせた男がステーキ・ナイフを

握っているのが見える。つづく数秒は永遠のように思われる。

見たくないのに、目をそらすことができない。(中略)

 くそ!

 ちくしょう、ここを出ないと。おれたちは移動しなければならない。

やせた男はまともじゃない。おれたちを攻撃したらどうする?

(本文より)


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