今日のおすすめ本。
2014年2月1日はこちらです。
『魔法の声』
コルネーリア・フンケ著 浅見昇吾訳 WAVE出版
モーは何も言わず、何もない壁を眺め、閉ざされたドアに眼を向け、
汚れた床に視線を落とした。そして、ようやく言葉をつむぎ出した。
「すべてを話さなければいけないようだな。本当ならこんなひどいところで
話したくはなかった。それにお前がもっと成長してからいうつもり
だったんだが・・・・・・」
「わたし、もう十二歳よ!」子どもに本当のことを言うよりも、
秘密は秘密のまま隠しておいたほうがいい。大人はどうしてそんなふうに
思っているの?大人は知らないの。秘密を暴露するために、
子どもがいろいろ策略を練るような物語だって、たくさんあるじゃない。
何年もたって、自分の子どもを持つ頃になって、メギーにもわかることになる。
心を絶望で埋めつくしてしまうような真実があう。そのような真実については
語りたくない。特に、自分の子どもには語りたくない。絶望にあらがって、
希望の灯をともせるものがないかぎりは・・・・・・。
(本文より)
こちらは旧版で表紙ちがいとなっております。
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