シルバー湖のほとりで

誠に勝手ながら11月25日(火)は店休日とさせていただきます。

ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。

何卒よろしくお願いいたします。


今日のおすすめ本。

2014年11月24日はこちらです。


大草原の小さな家

ローラ・インガルス・ワイルダー著 こだまともこ・渡辺南都子訳

講談社文庫刊


「見たいのかい? ローラ」

 父さんが、やさしくきいた。

 ローラは、口はきけなかったが、こくんとうなずき、土間をペタペタ歩いて、

父さんのところにいった。父さんは、銃を壁によせかけて立たせると、ローラを

だきあげ、窓の穴から、外を見せてくれた。

 月の光をあびて、おおかみたちが、半円形にすわっていた。前足を立てて

すわっているおおかみたちは、窓の中のローラを見、ローラは、おおかみを見る。

こんなに大きなおおかみは、はじめて見た。いちばん大きいのは、ローラより背が高い。

メアリーだって、こんなには大きくはない。その親分おおかみは、半円形のまん中、

ローラのまっ正面にすわっている。親分おおかみは、なにもかも大きかった。

──とがった耳、舌をだらりとたらした、さけた口、たくましい肩と足、ならんだ

二本の毎足、そして、うずくまったおしりのまわりで、くるっと巻いているしっぽ。

もじゃもじゃの毛は灰色で、目はみどり色に光っている。(中略)

「あれ、すごく大きいね」

 ローラが、小さい声でいった。

「うん、それに、毛が、あんなにつやつやしてるだろう」

 父さんは、ローラの髪にささやいた。月の光は、おおきなおおかみの体じゅうに

ふりそそぎ、もじゃもじゃの毛の先が、ちかちかっと光っている。

「このうちのまわりを、ぐるっと、まるくとりかこんでいるんだよ」

(「おおかみのむれ」本文より)


こちらは初版本で、講談社文庫版は現在絶版となっております。

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貴方のお気にいりの一冊が見つかりますように。